騒がしかったズミさんが帰ってしまい、いきなり静かになった部屋。 準備した牌を静かに片付け、また静かになった。 考えてみれば、ケンさんと2人っきりになることは少ない。 警備室はいつも誰かいるし、今回のお見舞いだって1人で来なかった。 ぼんやり窓の外を眺めるケンさんは、いつもテキパキとしている彼でなく、 トミさんのような穏やかな老人の顔だった。