「あっ、やべ」
着信音の主はズミさんだった。
「ここ病院なんだから切らなきゃダメじゃないですか」
「ったく。ズミ、調子に乗りすぎだぞ」
「ごめん、ごめん。娘からまた連絡あるかもと思うとつい…」
と言いながら、携帯を開くズミさん。
どうやらお店のスタッフさんからの緊急メールらしい。
「店がトラブってるみたいだから戻るわ!
ケンさんはまだいられるんだろ?悪いけど麻雀、持って帰ってきてくれ!
じゃひーちゃん、また連絡するから忘れないでくれな!!」
言い終わるか終わらないかのうちに、ズミさんは姿を消した。
「ったく…調子に乗りやがって…」
ケンさんがそうボヤいたのを聞いた…気がした。



