「あ、ひかりさん。気がついた?」
カーテンが引かれ、アタシの目に映ったのはいつもはあまり見ない私服のトミさんだった。
「トミ…さん…?」
彼は外にいるらしい誰かと少し話すと、アタシの近くに座った。
「大変だったね…痛くないかい?」
アタシの腕にはってある湿布を見ながら、手を握ってくれた。
「痛いよ…痛いの、トミさん…」
ハッキリしてきた頭は最悪な出来事を思い出して、
トミさんの優しい顔を見ると安心したのか涙がでた。
「トミさん!ケンちゃんは!?」
アタシがここにいるということは、ケンちゃんもいるはず…
さっきチラリと見たかんじ、ここは大部屋みたいだから、もしかしたら…
心なしかアタシの手を握るトミさんの手に、力が入った気がした。



