俺は目を閉じ、じっとして、あの2人が通り過ぎるのを待った。











「ねぇねぇ、キミぃ」


「龍太郎、駄目ですよっ」











通り過ぎるはずの声が

何故かすぐ近くで聞こえた。





目を開けると、
目の前に顔があった。









『・・・・・』


「えっと・・・大丈夫? かなりやつれてるけど・・・」










・・・余計なお世話だ。


あのときは、そうとしか思えなかった。