僕はその時彼女が肺がんなどではなく
虚言癖のアル 精神疾患患者であることを悟った

彼女の命に限りなど無いことは嬉しかった
ただ、厄介なことに巻き込まれてしまったことに少し不安になった


彼女とはその五日後に電話を入れて
一緒に食事の約束をした



僕はもう夏場にブルゾンで根元から無い右腕を人目から隠そうなどとは思わなかった
半そでのTシャツ
僕は街に出て僕の右腕の生えていないTシャツの袖を好奇の目で見る人も少しは感じた

でも大多数の人は僕に目も留めなかった
雑貨街で僕みたいな身体障害者を何人も見かけた

自分の障害は大したことはないのだ
そういった自信をくれたのは彼女だった。

僕たちは未分に不相応なほど高級なデパートの最上階のレストランで
ディナーと少しお酒を飲んだ…