15のとき

「奈美じゃん!来てくれたんだね!」


勇気がステージ奥から出てきた。



「あれっ、おじさん達と仲良くなったの?」

勇気は私と彼等を交互に見つめ「変な組み合わせだなぁ~」と笑う。



「勇気ぃ~お前の彼女かい?」



シルクハットがうれしそうに聞いてくる。



「ばっ…、そんなんじゃないよ。奈美…彼女はオレが路上で弾いてたときにたまたま知り合ったんだ。」




顔を真っ赤にして必死に否定する勇気…。



そんな彼もなかなかかわいかった。






「あっ、そろそろ開演だな…。おじさん達も今日やるんでしょ?」

「そぅそぅ。待望のやっさんの新曲」

シルクハットは、ぶしょうひげの肩をバシバシ叩きながら言う。




「そっか。あ、やっさん、この前みたいに曲忘れてアドリブとかやめたほうがいいよ。合わせるメンバーが大変そうだったから…。」



そう言い残すと



彼は「じゃ、後で。」と舞台そでへ急いだ。