15のとき

「親が両方とも医者さまだからな…。ほぼ毎日塾にも行ってるらしいし…」



「勉強の合間をぬって曲作りしたり、ここへも通ってきてるんだから大したもんよ。俺には到底できん…。」



はげたおっちゃんが頭をさすりながら、ハハハっと笑う。




「でもあれだけ才能があって、すでにいくつかスカウトも受けてるってのに…、もったいない話だよ!」



シルクハットのおっちゃんが


バシバシ机をたたいている。



どうやら酔っぱらっている様子。




そっか


そうなんだ…



お金持ちってだけで、羨ましいなんて思っていたけど…



実は見えない苦労があるんだね…。