自由帝の笑顔の嘆き

挨拶は既に始まっていた。
舞台には彼の父親…ロキ・ベルクが立って居る。

「この度は舞踏会の参加を有り難く存じます。それでは、食事も用意してますのでどうか楽しんでください」

ベルクはそう言うと舞台から降りる。あちこちから拍手があがる。
そして音楽も。
ロキは適当に料理を食べる。
町に行くなら腹ごしらえはしないといけない。

「ロキ皇子、お変わりなく」
「そちらこそ元気そうでなによりです」

彼も一応皇子だ。
少しの礼儀作法は知っている。
皇子として恥ずかしくない行動もしなくてはいけない。
それに様々な国の話が聞けるのは中々面白い。