自由帝の笑顔の嘆き

「お似合いですよ。お坊ちゃま」

セバスがロキの服装を見て満足そうに頷く。

「約束忘れるなよ…」
「勿論です。しかし、監視役は付けますから。安心を。視界に入らない場所に居させます」

ロキは舞踏会に出る代わりに、今夜外出する許可を得た。
ただし、町の中だけだ。

ロキは未だに町の外に出た事が無い。
何度頼んでも町の外に行く事だけは許可が降りなかった。

「では、そろそろお時間です。お父様の挨拶が始まりますよ」

セバスはロキのネクタイをきっちり上げてから部屋を出る。