自由帝の笑顔の嘆き

「おい、マスター。さっきの奴は誰だ?」

先程、ビールを注文した男が聞く。

「ああ。彼はこの国の王様の一人息子のロキ・マルクス様だよ」
「へぇ。変わった皇子だなぁ…」
「何回も城から逃げだしては町のあちこちで遊んでるらしい」

実際、ロキとチェスをした等と自慢する人も沢山居る。
荷物運びを手伝って貰った人も居るらしく、町民からは人気のある皇子だ。

「彼は変わり者で、やる事成すこと自由過ぎるから皆からは自由帝って呼ばれてるんだよ」
「自由帝ねぇ…」

男はテーブルに戻ると再びビールを飲み始める。

「マスター!ビールもう一本!」