自由帝の笑顔の嘆き

「お、これが関所か?」

ロキが目の前の建物を指差しながら言う。
既に、夜を迎えており関所の周りはランプで照らされている。

「野宿じゃなくて良かったね」
「全くだ。じゃあ、行こうか」

二人は門番に向かう。

「おや?こんな遅い時間に旅人かい?」
「ええ。関所を通りたいんだけど?」

リラが言う。

「悪いね。夜は関所は開かないんだ。ここに宿があるから泊まっていきな」
「分かったわ。ありがとう」

リラが中に入ろうとすると、ロキが言った。

「なぁ?何で夜は関所が開かないんだ?」
「何でって…。ははぁん。新米だな?ここから先のヘル王国はニーズと呼ばれる化け物が沢山居るんだ。特に夜にね。だから夜は関所を閉めてるんだ。なぁに。安心しろ。奴らが来ても俺らが追い払うから」
「ふぅん。ありがとう」

ロキ達は関所の中に入っていく。