初めて先輩と出会った時。


先輩しか、見えなかった。


春という出会いの嵐の中で。



私はあなたという嵐に呑まれた



飄々としている先輩。



回りを気遣える、先輩。



先輩を見つけるだけで。



ただただ、嬉しかった。




でも、私には眩し過ぎた。


先輩を褒める友達。


彼女が褒める度、複雑な気分になったわ。


私なんて、釣り合わない。


そう思った。



私なんて、相手にされるはず、ない。


そう思えて、

緊張して。


声をかけるなんて、出来なかった。





でも、季節は流れて。


奇跡は起こったわ。


先輩と付き合うことができて

私がどれだけ嬉しかったか



先輩、知らないでしょう?



この瞬間を目に焼き付けたい。


一緒に過ごした全ての時間を

忘れたくなんて、ない。




私は。

先輩しか見えなかったの。