キーンコーン・・・・・・


「え〜なっ!!!」


今日最後の数学の授業が終わり、親友の二宮沙紀那(ニノミヤサキナ)が笑顔で駆け寄ってきた。


でもあたしの気分はブルー。


夢の中で王子様といいとこだったのにまっつんに邪魔されて。


おまけに雑用まで押し付けるなんてぇぇー!!!!


メラメラと怒りの炎を上げているのを横目に、沙紀那があたしの机の上にノートを置いた。


「はいっ♪」


「・・・・・・・・え」


固まるあたしに、沙紀那は満面の笑みを向けた。


「頑張ってね?雑用っ★」


「・・・・・あんたね・・・・・・」


「また妄想でもしてたんでしょ?」


ギクッ・・・・・・・・


「し、してないし!!?」


「分かりやすいね〜。あんた♪」


焦るあたしを見て、沙紀那は綺麗な黒髪をなびかせながらクスリと笑った。