「お、王子様?」


あたしは沙紀那の言葉についついまぬけな声を出してしまった。


「そ、王子様。今年の4月に和泉学園に入学してからすんごい人気でさー、ファンクラブまであるんだから!」



「フ、ファンクラブ!?」


「学校一緒で知らないの、多分あんただけだよ?」


えーー!!?


「そんなに人気なのっ!!?」


驚いたあたしを見て、沙紀那はうんうんと頷いた。


「そりゃもう!まさか知らない人がいたとはねぇ・・・・・王子様本人もビックリだろね!!」


沙紀那はケラケラ笑うと、アイスティーを一口飲んだ。



―俺結構有名なんだけど?


・・・だからあの時あんな事言ってたんだぁ・・・・・