―え? ―何? 「これ、預かっとくわ」 あたしの『王子様ノート』を左手に持ち、ニヤリと笑う天城君。 そして、呆然とするあたしのブラウスのポケットからあたしのピンクの携帯を取り出し、なにやらいじるとあたしに携帯を返した。 「じゃあな、絵奈」 天城君はそう言いながら笑うと、保健室を後にした。 返ってきたあたしの携帯の画面には、天城君の携帯番号があたしのアドレス帳に登録されていた。