―真っ赤な夕日が見える放課後の教室・・・・・・



「―俺、お前が好きだ」


「あたしも・・・・・」



そして2人の唇は近づいて・・・・・


「―・・・・・ら」


あぁ幸せ。


「―・・・・原」


あたし、三原絵奈(ミハラエナ)。


やっと見つけました。


あたしの、運命の王子様―・・・・・・


「三原ぁあぁー!!!!」


「はいぃっ!!」


夢から覚めたあたし。


目の前にいたのは王子様じゃなくて、眉と目をツンツンにつり上げた数学の先生の「まっつん」こと松井先生。


「そんなに俺の授業がつまらんか〜?」


頬をピクピクさせながら笑顔で聞いてくるまっつん。


「あ、いや・・・・・・・・・・・えへ?」


一応ごまかしてみたけど、まっつんに通じる訳がない。


たちまち持っていた教科書であたしの頭を叩いた。


「後でノートみんなの分集めて職員室に持って来い。」


「・・・・は?」


「俺の授業で寝た罰だ〜!!!ハハハハ」


えぇぇーーー!!!!!