【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

女の子たちは、雪兎が見つめている怜奈を、鋭い目つきで睨んだ。


何、コイツら。



雪兎が自分のものと思ってるわけ?



ふざけるのもいい加減にしてよ。



雪兎は“もの”じゃないのよ!



怜奈に何かしたらただじゃおかないから。


私はいつでも出られる体勢をとった。



今にも飛びかかりそうな女の子たちの目に映っているのは、間違いなく怜奈。



でも怜奈は、そんなのちっとも気にせず、ただ雪兎を睨んでいた。



「どうかしたのか?怜奈ちゃん」



雪兎が少し首を横に捻りながら問う。