【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

「な…何…これ……」



「ん?どうしたの?癒杏?」



頭を抱え込む私を、不思議な表情で見つめる怜奈。



なんだったんだろう…さっきのは。



男子と女子が話してたみたいだけど…。



なんだか懐かしい感じがしたんだよね~…。



…まぁ、考えるだけ無駄か。



「癒杏?」



「え?あ、大丈夫!ちょっと立ちくらみがしただけ!」



「そお?ならいいけど」



私たちの中に、しばらく沈黙が流れた。