【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

『なにか…お困りなことでも…』



「ただ電話しただけ!?ふざけないでよ!!!」



『ひっ…す、すみません!!』



私が怒鳴ると、女の子は震えた声で謝った。





「ちょっとかわれ」



「えっ?」



そう言って雪兎は私から携帯を奪い取った。



「ちょ…なにすんのよっ!!」



「もしもし、沙紀?俺だけど…」



そう軽々と口にした雪兎は、もはや私の知っている雪兎じゃなかった。



「雪兎…?」



「だから言ったじゃないか!もう俺に関わるなって!」