【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

「癒杏に触んな」



「え?」



「っ…!ちょっと雪兎!!ふざけないでよ!私、まだこの前の件怒ってるんだけど!」



と怒ってみたものの、今の雪兎には通じない。



どうしよう…。


「あのー雪兎様?大丈夫ですよ。彰人は私の彼氏ですから…」



怜奈が優しく、穏やかな口調で雪兎に言った。



すると雪兎は表情をかえて、怜奈を見た。



「マ、マジ…?」



それはどこか嬉しそうだった。