【完】恋の欠片―ユアン編―㊤

なんとそこにいたのは雪兎だった。



雪兎の目線は河瀬くんに向いていた。



「雪…兎?」



私がそうつぶやくと



「きゃーーーっ雪兎様よ!」



「きゃ~~どこどこ~ぉ?」



女の子たちの黄色い声がとんだ。



てかいつの間にか“雪兎様”になってるし!



もしかして雪兎の下の名前、知らなかったとか?



…そうかもしれない。笑



「…どうしたの?君」



河瀬くんは驚いた表情で雪兎を見た。



それに対して雪兎は、冷たい、怒った目で河瀬くんを睨みつけていた。