「確かにオマエは人を殺した。

でも、それはボスの命令でやったことだ。

オマエがやりたくてやったんじゃない」

「でも、俺は…」

「生きるために他に手段があったか?」

「…」

ドロップさんは俺の手を握った。

「この手は人を殺すこともできるが、

旨いコーヒーを淹れることもできる。

オマエは今この手で何をしたいんだ?」

「もう人を殺すのは嫌だ…」

いくらボスの命令でも、

人を殺すなんて、絶対ダメだ。

今の俺には当たり前のことが、

なぜあの頃解らなかったんだろう。