応接室に着くと、向かい合うようにして座った。

仲原さんは座ると溜息を吐き出し、私を見る。


「………なんですか?」

「なんですかって…佐藤さんが話してくれるって言うからここまで来たんですが?」


「……話す、とは言ってません……。」


私は意気地無しだから、私の身に起こっている事を仲原さんに話す事ができずにいた。


「じゃあ、なんで呼び止めたの?」


「なんとなく、です……」


仲原さんはまた溜息を吐き出した。