家の鍵をしめると、暗くなった道を二人、駅に向かい歩いていた。


俺は、ただ黙ったまま白い息を吐いている。


言葉が見当たらない。

好きな女を勝手に家へと呼び、俺の勝手で帰すんだから。

トーコは、こんな俺に振り回されてどう思っているのだろうか。

答えを聞きたい。

だけど……聞けない。

これから他の女に会うっつーのに、聞けるわけねぇ。