嬉しい。ヤバいくらい、嬉しすぎる。


にやける顔。大声で叫びたい衝動を抑え、俺は口元を手で覆った。


そのときだった。


俺の視線が、目の前の人物をとらえたのは。



口を覆う手は、いつの間にか下がり、冷や汗が滴り落ちた。


ごくりと生唾を飲み込むと、喉奥が揺れる。


俺は思わず立ち止まった。

それに気づかないトーコは、歩みを止めず、俺の背中にぶつかってしまった。


「ちょっ……智也?急に立ち止まらないで……」

トーコは、途中で言葉を飲み込む。

きっと、気づいたに違いない。


目の前に佇む、人物のことを。