無意識に手を伸ばしていた。


トーコの頬に、瞳に触れた。


「と……智也っ?」

今度はトーコの瞳が揺らぐ。


あぁ、そうだ。俺は、この揺らぐ目が見たいのだ。

動揺する様を見て、可愛いと思ってしまう。

要するに、Sか?まぁ、そうだよな。俺がMなわけねぇもん。



「7月25日。船越神社の境内に19時」


「え?え?」


どさくさまぎれにそう言った。


トーコは、突然俺が待ち合わせ時間を言ったもんだから、顔を赤くさせ、驚いている。



「行くの?行かねーの?」


悩ましげな目で、俺はトーコを見下ろした。


そして、頬に当てていた親指を、ゆっくりと下にずらす。

もう後1ミリほどで、トーコの唇に触れるというところで、俺はその手を拳に変えた。


触れたらきっと……理性を保てない。そう思ったからだ。