「あ~……久しぶり。なに?なんか用事か?こっちのほうに来るなんて珍しいじゃん」


「……智也が私に話あるって、相馬くんから聞いて来たんだけど」



「は?」


ちょ……ちょっと待て待て!
あの、クソ馬鹿!なんつーことを……。


「で?話ってなに?」


しかも、タイミングよく、女に叩かれた場面見られちまったし。最悪だ。

そんな状態で、夏祭りに誘うなんてできねぇし。


「え~と、話っつーのは……」


トーコは首を傾げながら、不思議そうな顔で俺を見つめる。


「とりあえず……ぶらぶらする?この辺り、来たことねぇだろ?俺の高校も案内するし」



トーコは頷いて、俺の横に並んだ。

オレンジ色に染まった街を、二人、ゆっくりと歩いていく。