「で、若宮にキスして、つぐみちゃんちに行ったと」


俺は安司の言葉に頷いた。

「なにやってんだよ~智くん。若宮のことが好きなら……」


「でも、抱けなかった。つーか、勃たねぇ」


安司の言葉を遮って、俺は呟いた。


安司は静止したまま、俺を見据えた。


「あ~あ、この年で不能になっちまった」


言いながら、俺はベッドに仰向けになった。


天井を見つめ、思い出すかのように一つ一つ言葉を確かめる。

「前にもあったんだ。トーコが俺のココにいると、距離が近づくにつれ、他の女を抱けなくなる」

言いながら、おのれの胸の衣服を強く掴んだ。


「それって……いいことじゃん」


「よくねぇよ。俺はこのまま、もしかしたら一生、勃たねぇかもしれないんだぜ?」