萩原先輩は、他校の生徒にもある意味有名だ。


その目をひくような綺麗な容姿に、男はたくさん寄ってくる。


だからなのかもしれないけれど、萩原先輩は遊びまくっているイメージで。

私は、そんな人が純粋な南木先輩と付き合っているだなんて、認めたくなかった。



食堂前で歩みを止めた私。


最低。南木先輩が選んだ人なのに……


噂だから、まだ付き合ってるとは確信がとれないけど、ずっと好きだったもん。

あの場に笑っていられるほど、私、強くない。


ふと、掲示板に貼られた夏祭りのポスターに目をやる。


気晴らしに、行ってみるのもいいかもしれない。

先輩をきっぱり諦めて、新しい恋を見つけるのもいいかもしれない。


だけど、それが誰なのか、私にはわからない。


井上くん?それとも……


私はもう一度、唇に触れる。

同時に、金色の髪の彼を、思い出した。