「若宮、元気だったか?西高の制服、似合うじゃん!」


西高のセーラー服は、この辺りじゃ人気がある。

白地にグレーの襟、赤いリボン。


中学のセーラー服とは違い、大人っぽさも兼ね備えながら、トーコはうまくその制服を着こなしていた。


「相馬くん、久しぶり。卒業してから3ヶ月ぶりかぁ。どう?高校は」


「まぁ、楽しいっちゃ楽しいけど、男子校だからなぁ。彼女できないのが悲しい……って、あいつのこと忘れてた!智也、早くこっち来いよ!若宮だぜ?覚えてる?」


少し後方にいた俺に、安司は手招きした。




覚えてるっつーの。

てか……忘れらんねぇよ。


小学校が同じだということは知っているようだが、安司は俺とトーコの仲を知らない。


安司は別の小学校だったからだ。


と、いっても同じ駅だし、かなり近所なんだけど。


中学三年で俺とクラスが離れた安司は、トーコと同じクラスだった。