「それの交換、いつ?」

「それって……あぁ、これ?」


俺の視線に、安司は気づくとわき腹に触れた。


安司の体の中には、ペースメーカーが入っている。

真横に縫われた傷。

それがその痕だ。


「俺の場合……10年ごとだから、まだまだ先」


幼い頃に体にペースメーカーを入れ、小学校六年の頃に電池交換したらしい。


ツライはずなのに、それでもこいつは元気に明るく毎日を過ごしている。

電池交換といっても、もう一度腹を開くわけで……俺ならびびって逃げちまうかも。



「あん君……つぐみのことが気に入った?」


雑誌を読みながらくつろいでいた俺は、安司にそう聞いた。