「もう朝ご飯できてるぞ?オレ先に行くからさ」


「どーぞどーぞ。先に行ってくれた方が清々する」


その言葉に兄貴は俺を見据える。


「お前さ、最近夜中抜け出してどこか行ってるだろ?」


「別に。兄貴には関係ねぇ~だろ?」


ニヤリと口元の端を上げ、俺は兄貴を見据えた。


「あんま…心配させんなよ」


兄貴は言いながら、俺の部屋を出て行った。


誰が心配するって?んなもん、心では全く思ってないくせに。

こんなひねくれた弟なんて本当は嫌だろ?


なんで皆あんたのことがいいんだ?


俺の方がはっきりいって大人びた顔つきで、お世辞も上手くて…


なのに……


なんでアイツはあんたのことを見てるんだ?