目を覚ますと、そこは真っ白い天井で、腕には点滴の針が刺さっていて、ほんの少し違和感を感じていた。


だけど、そのほんの少しの違和感と痛みが、生きた心地を改めて確認させてくれたような気がした。


「智也、大丈夫か?」


まだ、ぼやけて見える視界に、兄貴の顔が覗きこんだ。


うっすらと見えた輪郭は、時間がたつにつれ、はっきりと見えてきた。