その音に、ぴくりと反応を示した叶は兄貴の体に触れる寸前で手を止めた。サイレン音が近づいてくる。
「カジ、イワ……逃げんぞ」
叶は落ち着いた表情で、そう呟き俺をちらりと一瞬見据えると、その場から逃げていった。兄貴は俺を抱え、砂浜から公園の方へ歩き出す。
「先輩!!智也!!」
公園にさしかかった所で、背後からの声に俺は目を見開いた。
「カジ、イワ……逃げんぞ」
叶は落ち着いた表情で、そう呟き俺をちらりと一瞬見据えると、その場から逃げていった。兄貴は俺を抱え、砂浜から公園の方へ歩き出す。
「先輩!!智也!!」
公園にさしかかった所で、背後からの声に俺は目を見開いた。

