「お前……案外根性あるな。真面目で甘チャン野郎だと思ってたのに」


叶がゆっくりと立ち上がった。


兄貴は俺を庇うように、その体を盾にしている。

じりじりと近づいてくる叶に、俺も兄貴も息を飲んだ。


叶のほうが年上だからか、やはり体は大人の体つきをしている。


叶の手が、兄貴の首元に触れようとしたそのとき、パトカーのサイレンが遠く彼方から微かに聞こえた。