もう、体の感覚がなくなってきた。


さっさと、やるならやれって……

そう思ってしまう。


岩本の手が俺の口を塞ぎ、視界がソイツで遮られそうになった時、兄貴は全体重を乗せ、岩本にタックルをした。


「体力だけは自信があんだ。オレの弟に触れるってんならな、何度だって阻止してやるよ」


口の中にたまった血を、ペッと吐き出しながら、兄貴は言った。


何度も、俺のためにその背中が立ちはだかってくれる。


俺の身長のほうが、そろそろ兄貴を追い越すくらいだっていうのに。