「智也!!なに、馬鹿なこと言ってんだよ!!」


「馬鹿なことじゃねぇよ!!俺の所為で、これ以上兄貴に迷惑かけたくねぇんだよ!!俺の身一つで……あんたは助かるんだ。それで、いいだろ?」


絞りだした声は、かすれ最後の言葉は聞き取りにくかったかもしれない。


言うなり、俺は再び前を見据えた。


俺を跨ぐ、岩本の体と顔が視界を覆う。

その背後に、ほんの少し空が映り、それを見ると、俺は静かに目を閉じた。