兄貴を殴るのに飽きたのか、叶は、数分後には殴るのをやめていた。


「やっぱ、一方的に殴るのはおもんねぇな。そうだな……岩、お前、トモの相手しろよ。好きにしていいからよ。犯されたくてたまんねぇって顔してやがるよ」


ハハハッと、叶は高笑いながら俺を見る。


俺のほうを痛めつけたいってわけだ。


俺は、下唇を噛みしめ、拳を握りしめた。


兄貴までも巻き込んで、なにやってんだ?俺。


そう思いながら、なおもギリギリと歯を下唇に食い込ませる。


覚悟を決めたのだ。


岩本が近づき、再び俺の体にまたがった。


その様を、俺は冷めた目で見上げる。


「ねぇ、あんたとセックスすれば、兄貴のこと見逃してくれる?」


ゆっくりと、俺は口を開いた。一言、一言、ゆっくりと。


俺が岩本に告げた言葉を聞いていたのか、砂浜から顔をあげた兄貴は大きく見開いた目で俺を見据えていた。