2つ年上の南木先輩を好きになったのは、あたしが小学5年生のとき。


その日、あたしは同じクラスの智也に、買ったばかりのペンケースを隠された。


放課後まで必死に探すあたしの隣りを、真新しい学ランに身を包んだ南木先輩が、横切った。


廊下にはいつくばり、恥ずかしい格好のままあたしは人がいることに対し唖然としていた。

だって、校内にはほとんど人がいなかったから。


「なに?探し物?」


南木先輩は、あたしと同じようにしゃがみ込み「一緒に探してやるよ」と、笑顔を向けた。


一瞬にして、あたしの心は奪われた。