「さて」
気を失った名もなき生徒の襟首を掴み、着席させる。
座っていれば、問題ない。
「酷い奴やな」
刹那が名もなき生徒の顔を見ながら同情の顔を浮かべる。
「いや、お前のやる事の8割減だ」
「ボクは恭耶みたいに残酷やあらへん」
「おいおい、自分の事をミトコンドリア程度にしか解ってないだろう?」
「ふん、恭耶よりはわかっとるわ」
刹那が不機嫌になって、席へと戻っていった。
時計を見ると、朝の授業が始まりそうな時間になっていた。
刹那は俺にぐだぐだ言うのだが、時間はきっちり守る真面目な奴なんだよな。
しかし、机に座っていても高校生に見えないな。
「今、余所見をしている人間は校庭の草むしりだ」
「何だと!?」
黒板を見ると、すでに楓の姿がある。
「単位がなくなるのと、家に帰って夢を見るの、どっちがいい?」
「草むしりつったら行事みたいなもんだろ!皆ですればいいじゃねえかよ!」
「君は他人の顔を見つめる程の暇人だ。その時間を草むしりに費やしても罰は当たらない」
俺が何かを言う前に欠席を取り始めた。
楓だけならまだしも、俺が愚痴を言い過ぎてクラスメイトまで敵に回すのはよくない。
「じゃ、恭耶は居残りな」
「だから、彼氏が出来ないんだよ」
「君は何か言ったか?」
「いや、楓は今日も美人だよ」
「そうか。花壇の水遣りも追加しておく」
刹那の嘘つき。
褒めたのに、余計な仕打ちが増える一方じゃないか。
気を失った名もなき生徒の襟首を掴み、着席させる。
座っていれば、問題ない。
「酷い奴やな」
刹那が名もなき生徒の顔を見ながら同情の顔を浮かべる。
「いや、お前のやる事の8割減だ」
「ボクは恭耶みたいに残酷やあらへん」
「おいおい、自分の事をミトコンドリア程度にしか解ってないだろう?」
「ふん、恭耶よりはわかっとるわ」
刹那が不機嫌になって、席へと戻っていった。
時計を見ると、朝の授業が始まりそうな時間になっていた。
刹那は俺にぐだぐだ言うのだが、時間はきっちり守る真面目な奴なんだよな。
しかし、机に座っていても高校生に見えないな。
「今、余所見をしている人間は校庭の草むしりだ」
「何だと!?」
黒板を見ると、すでに楓の姿がある。
「単位がなくなるのと、家に帰って夢を見るの、どっちがいい?」
「草むしりつったら行事みたいなもんだろ!皆ですればいいじゃねえかよ!」
「君は他人の顔を見つめる程の暇人だ。その時間を草むしりに費やしても罰は当たらない」
俺が何かを言う前に欠席を取り始めた。
楓だけならまだしも、俺が愚痴を言い過ぎてクラスメイトまで敵に回すのはよくない。
「じゃ、恭耶は居残りな」
「だから、彼氏が出来ないんだよ」
「君は何か言ったか?」
「いや、楓は今日も美人だよ」
「そうか。花壇の水遣りも追加しておく」
刹那の嘘つき。
褒めたのに、余計な仕打ちが増える一方じゃないか。

