刹那にぼっ殺され、病院で治療を受けてから数日が経ったある日。

今居る場所は教室の中であり、隣にはセーラー服を着た刹那がいる。

Sサイズにしても大きいと思うのだが、ぴったりなところ特別製なのかもしれない。

馬子にも衣装と言う諺があるのだが、刹那には打ってつけ。

「ゴハ!」

「要らん説明せんでええねん!」

俺を沈めた鉄拳で頬をぶん殴る。

「イテテ、お前の暴力が日々体を蝕んでいるような気がする。そして、お前は制服に着られてる感じがする」

「何いってんねん。滅茶苦茶ナウいやろ?」

「その自信はどっから湧いてくるんだよ」

ナウいってお前は幾つだ?

俺は痛む体を奮い立たせて着席する。

「お前はMK5がお似合いだよ」

「何やそれ?」

「短気だってこった」

「恭耶がボクのこと褒め称えたらええねん。それやったら怒ることもあらへん」

「そうだな」

褒める部分がないか、刹那を穴が開くほど見つめてみる。

5秒、10秒。

「ちょ、ちょっと、そんなに見られたら恥ずかしいやんか」

20秒、30秒。

「そないに褒めるところないんかい!」

「ゲハ!」

胸にとび蹴りが決まり、後方によろめく。

しかし、周りのクラスメイトがこちらを見て笑っているじゃないか。

今までこんな事はなかったんだぞ。

刹那のせいで、俺のイメージが崩れていくじゃないか。

「お前ら、本当に仲いいよな」

数日前、俺に話しかけてきた後ろの席の名もなき生徒が再び現れる。

「お前の目は節穴か?」

「俺も鷹威さんに蹴られたいよ」

「お前の気持ちはよく解った」

俺も鷹威であるからこそ、ハイキックで罪なき名もなき生徒を撃沈した。