緑色の学ランを着込み、帽子を深く被る。
袋に入った刀を持ち、家を出る。
「兄様、待ってください」
家の門前でセーラー服を着用した萌黄が駆けつけた。
「私もご一緒に参りますわ」
光蔵と萌黄が登校する事が多い。
萌黄は友達がいないわけではないが、光蔵と登校する事に安らぎを感じていた。
「高校生活はどうですの?」
無言に近かった空間を萌黄が打ち破る。
光蔵は一呼吸置いて、萌黄のほうは向かずに言葉を紡ぐ。
「退屈せずに済んでるくらいだ」
「兄様が、退屈しない日々をですか」
萌黄は多少驚いた顔をしている。
常に表情の変えない男の退屈をしない生活がどのようなものなのか、気になった。
そうこうしていると、後少しで学校につこうとしたところで男が光蔵の肩にぶつかる。
いつもなら避けられたが、物事を考えてたのか避けるのが遅れたのだった。
「おー、痛い痛い、ちょい待ちいな」
スーツを着た男に服を掴まれそうになったところで、萌黄が腕を掴んだ。
「止めておいたほうが、あなたの身のためですわ」
「なんじゃ、お前?」
威圧されてもニコニコと笑顔を崩さない。
「もう一度だけ言います、止めておきなさい」
男が腕を振りほどこうとしても動かない。
「離さんかい!」
横殴りの拳が萌黄に飛んでくる。
それを受け止めたのは光蔵だった。
「止めておけ、腕を折られるぞ」
萌黄の握力で腕の骨が悲鳴をあげていた。
袋に入った刀を持ち、家を出る。
「兄様、待ってください」
家の門前でセーラー服を着用した萌黄が駆けつけた。
「私もご一緒に参りますわ」
光蔵と萌黄が登校する事が多い。
萌黄は友達がいないわけではないが、光蔵と登校する事に安らぎを感じていた。
「高校生活はどうですの?」
無言に近かった空間を萌黄が打ち破る。
光蔵は一呼吸置いて、萌黄のほうは向かずに言葉を紡ぐ。
「退屈せずに済んでるくらいだ」
「兄様が、退屈しない日々をですか」
萌黄は多少驚いた顔をしている。
常に表情の変えない男の退屈をしない生活がどのようなものなのか、気になった。
そうこうしていると、後少しで学校につこうとしたところで男が光蔵の肩にぶつかる。
いつもなら避けられたが、物事を考えてたのか避けるのが遅れたのだった。
「おー、痛い痛い、ちょい待ちいな」
スーツを着た男に服を掴まれそうになったところで、萌黄が腕を掴んだ。
「止めておいたほうが、あなたの身のためですわ」
「なんじゃ、お前?」
威圧されてもニコニコと笑顔を崩さない。
「もう一度だけ言います、止めておきなさい」
男が腕を振りほどこうとしても動かない。
「離さんかい!」
横殴りの拳が萌黄に飛んでくる。
それを受け止めたのは光蔵だった。
「止めておけ、腕を折られるぞ」
萌黄の握力で腕の骨が悲鳴をあげていた。

