一通りの片付けが終わった頃に、刹那が二度目の風呂を終わらせて出てくる。

風呂に入っている間に落ち着いたのか、腰の抜けた状態から脱出したようだ。

「もう最悪な一日やわ」

今度は大きなTシャツ一枚だけである。

Tシャツのは俺の物で、刹那の服はほとんど使ってしまっていた。

下着は多めに持ってきたようで、自分の分を使っている。

掃除をしている間に、ある事に気付いた。

多分、刹那はこっちの学校に転校してくるのだろう。

平日に向こうからの連絡があって、こっちに来るということは家出でも何でもないわけだ。

それに、さっき刹那が荷物が届いたか聞いてきたしな。

持ってきた荷物とは別に来るということは、量が多いか、大きいものが来るかってことだ。

両方だと思うけどな。

しかし、いきなりすぎるような気がするな。

大阪で何か問題を起こしたのか、気変わりでもしたのか。

気変わりで転校するなんて適当すぎる。

出来ないわけじゃないけど、手続きなんかも色々あるだろう。

今は聞かないでおくか。

再びお漏らしでもされたら面倒な話である。

自分で掃除をしろなんて言えないから、俺がやる事になる。

本人にしては抵抗があるのだろうけど、非常事態だったからな。

時刻は23時。

疲れがある刹那は眠そうだ。

明日は休みだから、ゆっくり寝てくれればいい。

「俺がいると苛立つだろ?一人で寝るか?」

腕を捕まれただけでも失禁するくらいだから、近くにいたら寝ている間に恐怖を感じてオネショでもするんじゃないか?

「恭耶は嫌なん?」

「いいけど、一緒にいたら余計なこと言うぞ?」

そのおかげで、散々な目に合う毎日なんだけどな。