「邪魔です、あなたも行きなさい」
仮面の男と対峙してる梓さんは、抑揚のない声で俺に告げた。
「やだね」
「馬鹿な事を言うんじゃありません。あなたは、あの子を守るという使命があるのでしょう?」
「確かにそうだけど。女一人戦わせて、男が背中見せるなんて、納得出来るかよ」
「役に立たないと聞こえませんでしたか」
「あいにく、耳が悪くてね」
足に気合を入れ、俺は梓さんの隣に並ぶ。
「盾くらいにはなれるさ」
「分りました」
そういいながら、梓さんの裏拳が飛んでくる。
俺はしゃがみ、紙一重で回避した。
「お、おいおい、正気か」
「避けましたか」
「まさか、俺をどうにかするんじゃないだろうな?」
「いえ、今の一撃をどうにかできないようじゃ、盾にすらなりませんから」
梓さんが冷たい目で俺を見下ろす。
さすが、吸血鬼の一族だけあって、容赦がない。
「本当に、先方には申し訳ない事をしてしまいました」
着物の隙間から生足を出し、構える。
「全て、あなたのせいですよ」
仮面の男は律儀に待っていたようだ。
「一度だけ言う。邪魔をするな」
「邪魔?それはあなたの事ではありませんか?」
仮面の男は黙る。
そして、水面のごとく、静かに動き出した。
仮面の男と対峙してる梓さんは、抑揚のない声で俺に告げた。
「やだね」
「馬鹿な事を言うんじゃありません。あなたは、あの子を守るという使命があるのでしょう?」
「確かにそうだけど。女一人戦わせて、男が背中見せるなんて、納得出来るかよ」
「役に立たないと聞こえませんでしたか」
「あいにく、耳が悪くてね」
足に気合を入れ、俺は梓さんの隣に並ぶ。
「盾くらいにはなれるさ」
「分りました」
そういいながら、梓さんの裏拳が飛んでくる。
俺はしゃがみ、紙一重で回避した。
「お、おいおい、正気か」
「避けましたか」
「まさか、俺をどうにかするんじゃないだろうな?」
「いえ、今の一撃をどうにかできないようじゃ、盾にすらなりませんから」
梓さんが冷たい目で俺を見下ろす。
さすが、吸血鬼の一族だけあって、容赦がない。
「本当に、先方には申し訳ない事をしてしまいました」
着物の隙間から生足を出し、構える。
「全て、あなたのせいですよ」
仮面の男は律儀に待っていたようだ。
「一度だけ言う。邪魔をするな」
「邪魔?それはあなたの事ではありませんか?」
仮面の男は黙る。
そして、水面のごとく、静かに動き出した。

