「お前が悪い」

楓の言葉によって、心に重りが積み重なる。

「覚えてないなんて程がある」

「久しぶりに会ったんだから、はっきり覚えてるほうが凄くないか?」

今思うと、向こうも説明不足だったような気がする。

「女子は覚えていて欲しいものなのさ。それより、さっさと連れ戻して来い。夜道の一人歩きは危険だ」

「楓も探すの手伝ってくれ」

一人で探すよりも、二人で探した方が早く見つかるだろう。

「私は学校の方を探ろう。お前は適当なところ探すんだ」

刹那の事を知っている楓も探してくれるみたいだ。

「適当なところって何だよ。とにかく頼んだぜ。見つかったら連絡くれ」

「それでは、また後でだ」

俺達は刹那を探すために、別々の道に走っていった。