第七世界

俺たちは教室に帰り、授業を受けた。

留年ぎりぎりになりながらも、何とかこなす俺って凄い。

そんな意味のない自画自賛を繰り返しながら、放課後になる。

「恭耶!帰ろ!」

語尾に星マークをつけててもおかしくないような明るさで、犬子が俺の席に近づく。

「今日は用事があるんでな」

恵美子の机を見ると、震えている恵美子が静かに座っていた。

脅しの材料と、今日起こる何かに怯えているのだろう。

案外、小心者だなと思いながらも、俺は席を立った。

「刹那、今日は先に帰ってろ」

「はあ?何言ってるん?あんた、ボクにプレゼントするっていったやんか」

「え?恭耶、刹那にプレゼントするの。私にも頂戴よ」

「うるせえ!刹那!お前、今日深夜にドドンドンキーに行ってやるから、我慢しろ!犬子、お前にやる物は何もねえ!」

「ちょ、何で、私はそんな扱いなの?恭耶って本当女心分かってないよね?」

「媚売る女に興味はねえんだよ!俺はちょっとツンでデレな女のほうが魅力的なんだよ!」

「え?恭耶って、ボクのこと好きやったん?」

「何で自分と認識するんだよ!もう、説明するの面倒くせえよ!」

「ちょっと、鷹威、お前モテ」

「お前と話すことは何もない」

俺はいらいらしながらも、モブをけり倒し楓の到着を待った。

その間に他のクラスメイトは早々と帰り、刹那達の面倒なやり取りを淡々とこなしながら、夕刻の時間は終わりを告げようとしていた。

もちろん、刹那や犬子も帰らせた。

「ちょっと、鷹威」

「何だよ?」

「皆木、こないじゃん」

「用務員室で寝てるんじゃねえのか?」