第七世界

「おい、何で後輩をいじめたりするんだよ?」

「そんなの、あんたに関係ない」

「てめえが後輩をいじめる事によって、俺の無駄な心配事が増えるから言ってるんだろうがああああ!」

コブラツイストをかけて、恵美子が話しやすい雰囲気を作る。

「いた、わ、分かった、だから、離して!」

恵美子を離すと痛みで涙を流しながら話始めた。

「あいつ、気に入らない」

「はあ?」

「だから、気に入らないって言ったの!」

「何が気に入らないんだよ?」

「あいつ、自分が少し出来るからって人を見下して、後輩のくせに」

恵美子がいじめる理由は、自分の劣等感からくるものなのだろう。

見下されるのが嫌なら、努力をするという思考に辿り着かないところが、駄目な理由の一つといえる。

「お前よ、仲間とつるんでまでする事かよ?」

「そんなの、別にいいじゃん」

「わあった。これから、お前を特訓させてやる」

「はあ?意味わかんないんだけど?」

「後輩が問題なんじゃねえんだよ。お前自身が問題なんだよ。というわけで、楓、特訓を頼んだぞ」

「君は随分とずうずうしいお願いをするんだな」

「いや、一応、楓の生徒だし」

「仕方ない、放課後、君と香坂は私についてくるように」

「何で、私がそんな事」

「そんな事で私の時間をつぶさなくちゃならないのだから、私が可愛そうだと思うだろう?」

どこまで自分勝手に解釈する女なんだ。

「ふう、君はよほど留年したいと見た」