第七世界

「はあ?まじ、うざい」

「若者の言葉を使えばなんでも済むとでも思うな!小娘!」

「君は人に説教できるような立場でないという事を理解しなくてはならないな」

「げ、楓」

背後に立つのは、面倒くさそうな瞳の楓であった。

「先生、こいつが私の貞操を奪おうとするんです!」

お前のような股の緩そうなキャラが貞操など気にするのか。

猫なで声を出しながら、楓の後ろに隠れた。

「まあ、君の点数を引くのは当然として」

「ちょっと待て、君っていうのは俺に対して言ってるのか!?そうだよね?そうなのよね?」

「君の台詞は私の心には届かないな」

「もとより聞く気ねえだろうが!」

俺の卒業がどんどん遠のいて行く。

「さて、ここで君と個人的な話をしておこうか」

楓が恵美子の方を向いた。

「それより、早くその男を」

「それは君が決める事じゃないな」

懐からデジカメを出した。

「君はよからぬ事をやっているのでな。少し親御さんと話をしなければならない」

デジカメを再生すると、後輩に対して行っているいじめの証拠が流れ始めた。

「ちょ、待ってくださいよ。何で、そんな物が」

「広いとはいえ、所詮は学校だ。どこに目があって耳があるのかは分からない」

「楓、まあ、待とうぜ」

ショックの淵から立ち上がりながらも、楓に制止をかける。