第七世界

「う、うう、気持ち悪い」

「起きたか」

俺は一人の女の前に立つ。

「あ、紀子、綾子」

二人の名前を呼びながらも、自分に起こった事を思い出す。

「あのガキ、一回」

「それ以上言えば、ノーフェニミストな俺はお前達を成敗しなければならねえ」

握りこぶしを見せ付ける。

「何だよ、お前」

「ただの通行人Tだ」

「はあ?馬鹿じゃね?」

「馬鹿なのは、お前だあああああああ!」

「ごはあ!」

女にアッパーカットを決めた。

女は地面に再び倒れこんだ。

「すまん、つい、出来心で」

「ぜってえ、許せねえ」

血を吐きながらも、恨めしそうな目で俺を見上げる。

「まあまあ、俺はお前らに話を聞きにきたんだ」

「はあ、話す事なんて、げえええ!」

「しょうがないなあ、まったく、この子は昔からシャイなんだから」

笑顔になりながら、逆エビ固めでスキンシップを図る。

「ぎ、ギブギブギブ!」

「いやあ、今日はスキンシップに最適な日だなあ」

いつもの鬱憤を晴らすかといわんばかりに、反りを強くしていく。

「話す、話すからあああ!」