第七世界

「じゃあ、ボクがあのまま見過ごせば良かったんか?」

「そうはいってない。だからこそ、間違ってないといっただろ」

「どうせえっちゅうねん!」

「そうだなあ」

人が変わるにはそれなりの労力と時間が必要になる。

はっきりいえば、知りもしない人間に対して、労力と時間を使う気がまったく起きないというところだ。

「俺が少し話しを聞いてくるわ」

いじめられる理由は、いじめられる方にもあるという。

九割悪いのはいじめる方にあるのだが、いじめられる側にも何かしらの要因があっていじめられるわけだ。

理由がなければ、何も起きないわけだしな。

普段からのストレスの発散をしたかった、誰でも良かったなどという理由であれば、標的にされた後輩に運がなかったと言うしかない。

他の理由であるならば?

それはいじめる側の逆鱗に触れる要因があるという事だ。

一番簡単なのは、後輩がいじめるアホどもに立ち向かう事が一番なんだけどな。

簡単ではあるが、難しい。

もう一度言うが、人が変わるには労力と時間が必要である。

きっかけなどで変わられる時もあるが、爆発的な物であり一般的ではないわな。

後輩が不登校にならずに、学校に来てるところはまだ手遅れではないというところか。

「さてと」

刹那は教室に帰らせて、先ほどの女達がボコボコに七割程度撲殺された場所に赴いた。

女達はまだ地面に突っ伏している。

「おーい、死んでないかあ?」

起きるように容赦なくゆする。

いや、むかつくからとか、そんな私情を持ち込んでるわけじゃないぞ。

これも、授業に遅れないための優しさというものだ。